丸山健二著『千日の瑠璃 Changed writing style for web ver.』の連載にあたって

みなさん、お疲れ様です。

いつもこのHPをお訪ねいただきましてありがとうございます。

この度、「note」(https://note.com/maruyama_kenji/n/n5c99aff8edb3)にて『千日の瑠璃』の新バージョンの連載を始めました。

「note」ではすでにエッセイ(ここでも連載しているものです)を連載していますが、その目的は2つです。

1つは、より多くの方に丸山健二を知っていただくこと。

もう1つは、いぬわし書房の現状、書籍化が難しいということ、です。

この目的を達成するためフリーペーパー「いぬわしからの報告です。」も始めました。

手作りですので、簡素なものですが、「白鯨物語」の改稿版の連載、「人生相談」や「丸山健二の言葉の新定義」などを掲載しています。

ご所望の方は、いぬわし書房までメールを下さい。追って送付致します。

メールアドレス:inuwashi.shobo@gmail.com

ということで、いろいろ試みています。

もしよかったら、「note」も覗いてみてください。

『千日の瑠璃 Changed writing style for web ver.』の初回(10日分)は無料ですが、2回目からは有料になりますことをご理解ください。

以下は、なぜ今「千日の瑠璃」を改稿して発表するのか、を「note」にて公開した文になります。

今後とも、いぬわし書房をよろしくお願い致します。

………………

丸山健二を知っていますか?

こんな小説を読んだことがありますか?

丸山健二は、就職先の商社が合併されて路頭に迷う前の23歳、初めて書いた小説「夏の流れ」で芥川賞を受賞。その後、文壇とは一線を画して長野県に居を構え、今の今まで徹底して純文学を追究している書き手です。

丸山健二は、書くことを止めません。

365日、毎朝、必ず書きます。それが60年近く続いています。

なぜか。

それは一日でも書くことを止めてしまったならば、言語芸術の精髄たる文章力が落ちてしまうからです。

純文学を極みの域まで昇華したいという野心と野望を持つ彼にとって、世界に冠たる日本語が命なのです。

高みを求めて書くことの進化と深化を掘り下げてゆくと、いわゆる文学的な文章では物足りなくなり、ついには過去の自作でさえ、読み返すと恥ずかしくなってくると彼は言います。

かつての自分よりも、今の自分は遙かに腕が上がっているのですから、自己嫌悪に陥るというわけです。

よって、彼は「書き直す」という当然の作業をくり返します。

『千日の瑠璃』は1992年に出版されました。

1988年10月1日から始まるリアルな1000の日々を、ある日は「風」が、そしてまたある日は「ボールペン」が、そう、まさしく1000の語り手が物語ってゆきます。

物言わぬ物体や記号、情念、行動など、この世に存する万物が「人の言葉」を放ち始めた世界、それが『千日の瑠璃』の森羅万象の世界です。

そこに、この壮大な物語で唯一言葉を話せぬ、心身ともに不自由な少年・世一の独特な生き様が、モノクロームに沈む人の社会でひときわ異彩を放ち、俗世に濁された人心のみならず、万物に「重要な何か」を与えるのです。

世界では、「多様性」「SDGs」「ジェンダーフリー」「LGBTQ」など、さまざまな言葉を使って、ホモサピエンスの種として子孫を遺し続けてきた結果のマイナーな課題を投げかけています。

その核心に迫る本質が『千日の瑠璃 Changed writing style for web ver.』全般に及んでいます。

今、このとりとめもない時代に生きているからこそ、ぜひご一読いただきたく、ここに三度目の改稿を加えて発表します。

いぬわし書房

作家・丸山健二が主宰する出版社。丸山健二作品や真文学作品の出版、および丸山健二の活動状況をお知らせします。

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