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猛暑が続いておりますが、みなさんお元気ですか?

ここ熊本では、つい先日の大雨以降、一滴の恵みもなく、からっからに乾いたアスファルトの照り返しが逆に大気を乾燥させてくれて、過ごしやすいのかといえばさにあらず、ただただ暑いです。。。

さて、「WEB シンブンガク」の4号をnoteに公開しました!

当初は8月頭を予定していたのですが、パソコンが……。

だましだましやっていたのですが、ついに……。

という言い訳で、本日公開となりました。

今日でお盆休みも終わり、仕事モードへの切り替えをおこなっていらっしゃる最中とは思いますが、ぜひご一読いただければ幸いです。

https://note.com/maruyama_kenji/m/m52e2ea3ca4fa


まだまだ熱波にうなされそうな日が続きますが、みなさん、くれぐれもご自愛くださいませ。

今後ともよろしくお願い致します。


管理人


丸山健二塾では、新しい文学の可能性の求める小説の書き方、および文章で自己表現が上手くできないなどのお悩みをおもちの方を対象にした、個別レッスンを行っています。

これまで多くの方に受講いただきましたこと、誠にありがとうございます。

というのも、開塾当初、近現代の純文学に対して悲観的な考えしかもっていなかった塾長の丸山健二が、塾生のみなさんの秘めた才能や上達ぶりを目の当たりにして、自身の誤りに気づき、純文学に対する希望の光を見出したからです。

私たちは井の中の蛙でした。反省しています。

この場を借りて、これまでの認識を改めると同時に、入塾していただいたみなさんに心から御礼を申し上げます。

申し訳ございませんでした。そしてありがとうございました。


さて、今年の秋で10年目を迎える当塾では、その区切りとして、30分無料の体験講座を企画しました。塾長・丸山健二が個別に添削指導を行います。

募集概要は以下になります。


【応募資格】ありません。

【募集期間】2025年8月1日~31日

【応募方法】メールの件名を「無料体験講座希望」とし、メールの本文に、①お名前、②年齢、③希望受講日時(候補日時を3つご記入ください)、④応募動機を簡単にご記入のうえ、次のメールアドレスからご応募ください。inuwashi.shobo@gmail.com

【選考基準】基本的にすべての応募者に対応する予定です。しかしながら、冷やかしや誹謗中傷等が目的の方はご遠慮いただきます。

【結果連絡】お送りいただいたメールへ連絡致します。

【受講日程】講義の時間帯は8時~16時までの間で、水曜日以外で応募者と個別に調整させていただきます。応募者多数の場合、9月以降も日程調整をお願いする場合ございますことをご了承ください。

【受講条件】①Zoomで講義を行いますので、Zoom対応をお願い致します。

      ②これまでに書いた小説を受講日前日までにメールにてお送りいただきます。

      ③特に書いている小説がない場合は、ご自身が思う「美しい文章」を20字程度で書いていただき(1つでも、2つでも、幾つでも構いません。それらの文章は繋がっていなくても大丈夫です)、受講日前日までにメールにてお送りいただきます。


以上になります。

今、ご自身の文章に自信がないという方でも大歓迎です。

文章は、訓練すれば必ず上手くなります。個人の現状のレベルに合わせて、その方法を、コツを、丸山健二がお教え致します。


最後に、ご自身の才能を自分で決めつけないでください。

多くの方のご応募をお待ちしています。

管理人









みなさん、お疲れ様です。

九州は今日も雨です。

洗濯ものが部屋の一角にずらりとつり下がっています。


さて、本日6月15日17時にXで「ラウンド・ミッドナイト 人の言葉」の連載をスタートしました。

本作品は、田畑書店さんから出版された『ラウンド・ミッドナイト 風の言葉』の第2弾になります。

その時の帯の惹句借りれば、

エッセイでもなければ小説でもない。詩でもなければアフォリズム(箴言集)でもない。

あえて言えば、丸山健二版「聖書」――ただし、そこに神はいない。

いるのはあなた自身のみ。


そして、その時に作ったプロモーション曲の映像がこちら

福岡のシンガーソングライターのthetaさんに作ってもらいました。

もう4年も経ちました。


今回は、Xで毎日一話(?)ずつ公開していきますので、ぜひ読んでみて下さい。


管理人


みなさん、お疲れ様です。

なんと、3号です!

今号には、今年の2月に開催した主宰の講演会のテキスト起こしを入れてみました。

noteはこちらから


編集後記にも書いたのですが、

次号から読者投稿ページを作りたいと思っています。

「WEB シンブンガク」への感想やご意見、主宰に聞きたいこと(回答します)、文学批評、身のまわりで起きた気になる出来事などなどを、いぬわし書房のメールへ送っていただきたく(ペンネームをお忘れなく)、お願い致しますm(_ _)m(←始めて使ってみましたが、いかがでしょう? 若いふりしてすみません)。

お送りいただいた投稿は、僭越ながら管理人がセレクトさせていただきまして、「WEB シンブンガク」に掲載させいただきます。投稿文はもちろん主宰にも読んでもらいます。

ページのイメージは、「本の雑誌」の読者投稿コーナーの「三角窓口」です。ご存知ですよね(汗)。

読者の方とのコミュニケーションが少しずつ広がってくれたら、と思っています。

みなさんの投稿をお待ちしています!


さて、甲斐性なしのため実家に戻って3ヶ月が経ちました。

高校卒業してから40年近く東京暮らしだったので、大いに不安でしたが、主宰の励ましもあり、ようよう落ち着いて参りました。

もっと本を出していけるよう頑張りますので、今後ともいぬわし書房を何卒よろしくお願い致します。


昼夜の寒暖差が激しい日が続いています。みなさま、くれぐれもご自愛ください。


管理人

来る7月6日(日)、今年2回目のWEB講演会を開催します。

モデレーターとして大槻慎二氏(田畑書店社主)をお迎えし、

「夏の流れ」「ときめきに死す」「河」「水の家族」「千日の瑠璃」を中心に

丸山文学の「進化」と「深化」の過程を探っていきます。

料金は無料で、先着50名様となりますので

下記のメールアドレスからお申し込みください。


【概 要】

丸山健二塾PRESENTS第2弾「丸山文学の進化と深化を語る」

日時:2025年7月6日(日)13時~14時30分

会場:オンライン開催です。Zoomを利用します。

定員:先着50名様

 ※定員となり次第、締め切らせていただきます。ご了承ください。

料金:無料

出演:丸山健二/大槻慎二(モデレーター)

お申し込み先:inuwashi.shobo@gmail.com

 ※お申し込みいただきました方には折り返しメールを返信致します。


皆様のご参加をお待ちしております。


管理人


みなさん、お疲れ様です。

早速ですが、主宰が奥様と半生を振り返ったエッセイ『つれあい』(上下)を書きました。

noteで公開しています。以下からぜひご一読いただければ幸いです。

『つれあい』(上巻)

『つれあい』(下巻)


本当は本にしたかったのです。

奥様の写真も数十点いただきました。

主宰がレンズを通して見つめる奥様の表情が素敵で、お二人の関係が永遠のように見えます。

しかし、noteでの公開を決めたとき、写真の掲載は諦めました。

管理人の力不足です。すみません。


でもいつか、本にしたいと思っています。

(管理人)


追記:本文から2つ抜粋させいただきます。


 できることなら私を拒絶してもらいたかったのです

 少なくともこんな危険人物には眉を曇らせる瞬間を見せてほしかったのです

 そうすれば私は身の程を知ってそれ以上の接近は考えなかったでしょう

 そして心置きなく無難ではない道へと突き進んでいたことでしょう

 あげくの果てに当然の報いとしての破局を迎えて早死にしていたことでしょう

 運命のやり口は皮肉にあふれています

 彼女は私の正体に気づいていながらまるごと受け容れたのです

 要するに

 ならず者や無法者に強く魅せられた外れ者を拒まなかったのです

 こんな救いがたい男をほとんど躊躇なしに歓迎してくれたのです

(上巻より)

 やがて寿命が尽きるという常識中の常識も

 まだ実感される機会がほとんどなく

 社会から著しく逸脱した暮らしを送る

 はみ出し者としての私たち夫妻は

 ありふれた疎外感に苛まれることなく

 浮き世を生きている実感を楽しんでいました

 明日の人生の展開へ思いを馳せることもなく

 世界が向かう先にいかなる悲劇が待ち構えていようと知ったことではなく

 自由には付き物の不安定な暮らしを存分に堪能していたのです

 それは敷石の拡大と共に揺るぎないものと化し

 ……とそのような錯覚を強めながら

 一介の人間として授けられている過酷な条件をまったく意に介さず

 「バカ夫婦」としての在り方に満足し切っていたのでしょう

 私たちにとって人生は冗談そのものでした

 ありとあらゆるしがらみにがんじがらめにされている世間の人々の右往左往が

 果たして必要なのかどうかさえも理解できなくなっていました

 そして私はそれをよしとしていたのです

(下巻より)

春が来ましたね。

まだ肌寒い日もありますが、西日本は桜が満開。管理人の庭では山ツツジが花開きはじめています。この前まで居着いていた一羽のヒヨドリは消え、アゲハチョウが舞い、雑草が……。

さて、「WEB シンブンガク」、2号をnoteで公開しました。

丸山先生の「白鯨物語」の連載に加え、新たにお二人の書き手をお招きし、少しずつ文芸誌の体を為してきています。

ぜひご一読いただければ幸いです。

noteのURLは以下になります。

https://note.com/maruyama_kenji/m/m05a0cb31d388


「WEB シンブンガク」では、意欲的かつ挑戦的な作品もどんどんと発表していきたいと思っていますので、何卒よろしくお願い致します。

管理人

みなさん、お寒うございます。

今日サロンで「野菜が高い!」と叫んでしまった管理人です。

優しい視聴者の方に「カット野菜は安いよ」と教えていただきました。明日から使います。


さて、長らく温めすぎた企画「WEB シンブンガク!」をnoteで創刊号を公開しました。

「WEB シンブンガク!」は、丸山先生の「白鯨物語」再修正版の連載、丸山健二塾の塾生の作品、それに加えてコラムやエッセイ、さらに文学に意欲的な方の作品を掲載してゆく、言葉を駆使したエクスプレッション・マガジンです。

実は「シンブンガク」は紙で一度出版しているのですが、なかなか2号を出す力がなく、いよいよどうにかせねばと本日に至りました。

価格は300円とお安くなっておりますので、ぜひご一読いただければ幸いです。

noteのURLは以下になります。

https://note.com/maruyama_kenji/m/m3096e67988f2


今後、さらに作品を増やして、月刊を目指して頑張って参りますので、暖かい目で見守っていただければ幸甚です。

何卒よろしくお願い致します。

管理人


Zoomでのご視聴は定員に達したため締切ました。

みなさん、ご無沙汰しております。

暑すぎた長い夏がようやく終わり、秋もそこそこに、大雪と寒冷の冬が一気に押し寄せてきておりますが、お元気でお過ごしでしょうか?

いぬわし書房主宰の丸山健二は、81歳の誕生日を超えてますます心身ともにパワーアップして、日々雪掻きに励んでいるようです。

庭木の冬支度についてはさすがに最低限に留めているそうなのですが、周囲をぐるりと囲う2メートル以上はある垣根の雪下ろしは、両肩を痛めながらも奮闘されているとか。

雪国の人は本当に強いです。


さて、新年明けまして、2025年2月2日(日)に無料の講演会を開催します。

半世紀に亘り書き続けてきた主宰が、飽きっぽくてせっかちな性格を自認している丸山健二が、今日まで小説家一本で生きてくることができたのか、その本質に迫る内容です。

ご視聴はZoomで可能です。数に限りがございますので、お早めにお申し込みいただければ幸いです。

■概要

【開催日時】2025 年2月2日(日)

      14 時30 分~ 15 時45 分

【講師】芥川賞作家・丸山健二

【リアル会場】近鉄文化サロン上本町(先着30 名様)

       大阪市天王寺区上本町6 丁目1-55 近鉄百貨店上本町店10 階

※「リアル会場」では、スクリーンに投射したZoom映像でご視聴いただきます。ネットが苦手な方は、こちらにお申し込みください。

【WEB 会場】Zoom(先着50 名様)

【入場料・WEB 視聴料】無料

【お申し込み方法】ご希望の「リアル会場希望」または「WEB 視聴希望」を記載し、お名前を明記のうえ、下記のメールアドレスへお申し込みをお願い致します。

inuwashi.shobo@gmail.com

お申し込みいただきました方には折り返しメールを返信致しますが、リアル・WEB ともに定員になり次第、受付を終了致します。またZoom でご視聴の方には、招待URL を追ってお送り致します。


みなさん、お元気でお過ごしでしょうか?

大変ご無沙汰しております。

なが~い夏もようやく落ち着いてきまして肌寒くなって参りました。

秋、あるのでしょうか?


さて、本HPとnoteで連載しておりましたエッセイ「言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から」ですが、

未発表分も含めて、田畑書店さんより単行本となって刊行されます!

久しぶりのエッセイ、新刊でございます。

ご購入いただければ幸甚です。

【Amazonから購入はこちら】

今後とも何卒よろしくお願い致します。


管理人

 八十歳を超えて不思議に思うことがあります。

 覚悟していたにもかかわらず、寿命の短さを痛々しいまでに自覚する瞬間がまったくないのです。若かった頃と同じとまでは言いませんが、やはり未だに時間の感覚が永遠の位置に留まったままなのです。

 これはいったいどういうことなのでしょうか。曲がりなりにも健康体を保っているからなのでしょうか。そんなはずはありません。風呂へ入るたびに慢性的な膝の鈍痛が再認識され、鏡を前にするたびに皺と染みが増えていることを思い知らされます。老化が急速に進んでいることは厳然たる事実なのですが、なぜか落胆や失望のたぐいに見舞われることがないのです。どうやら妻の認識も同じようです。

 子どもがいないからなのでしょうか。ために、生々しい加齢を自覚できないのでしょうか。それも確かにあるかもしれませんが、すべてとも思えません。

 世間一般の暮らしを送っていないせいで、歳月の捉え方が大幅に狂ってしまったのでしょうか。もしそうなら、願ったり叶ったりのいい事です。

 さもなければ、これはあくまで自分勝手な解釈なのですが、多くの草木と共に命を日々積み重ねていることから発せられた僥倖かもしれません。その意識はなくとも、実際には花々から何かしら好ましい影響を受けてこうした能天気に浸っていられるのだとしたら、言葉は悪いですが、儲け物です。

 当然ながらそういつまでもつづくことはないでしょうが、ともあれ今はこうして生きているのです。そしておめでたいことに、数十年後の庭の設計を本気で考え、生育が極めて遅い苗木をどんどん購入しています。この春にもまた、三十センチにも満たない接ぎ木のマグノリアの仲間を取り寄せて植えました。そしてその花が満開になる将来を本気で想像しているのです。

 文学作品においてもそのありさまです。これが最後と思って書き上げた作品を前に、もう次の執筆に入っているのです。その勢いを中断させ、中止させる条件が見あたりません。いい人生と言えばそうなのでしょうか。

 植えたばかりの〈ブータンルリマツリ〉が、「満開を期待していいぞ」と約束ました。

「それまで何年でも待ってる」と私はあっさり安請け合いをしました。

 するとタイハクオウムのバロン君が、「馬鹿か、おまえは」と、すかさず横槍を入れてきました。

 我が庭にとって、梅雨明けを間近に控えた頃の大雨はまさしく慈雨となります。

 それというのも、地面の下が粘土層ではないために根腐れの心配をしなくて済むからです。むしろ「もっと降れ」と雨雲を煽りたくなるほどなのです。

 この辺り一帯は元河原でした。それが田畑になったのは、開墾した者は農地の所有者になれると、戦前、戦後のお上が奨励したからです。

 その時代には開拓者が簡単に扱える重機などなく、馬や牛を手に入れる資金もありませんでしたから、ひたすら人力に頼っての重労働を余儀なくされたのでしょう。農作業自体が、今では想像もつかないほど過酷なもので、子どもの手を借りても間に合わないほどでした。当時の農民の皮下脂肪のない体が思い起こされるたびに、土に生きるということの凄まじさが蘇ってきます。

 やがて経済的繁栄が訪れ、農機具の普及によって重労働がかなり軽減されました。ところが、人間というのは横着なもので、ひとたび楽な方向へ突き進むと際限なくそっちへ転がってゆき、しまいには農業自体を忌み嫌う若者が増え、都会へ出て行けば土にまみれずに済むという、ただそれだけの理由で離郷者が続出しました。その結果と、悪政としての農政の欠陥が相まって現在の農業不振を招いたのです。

 周りは年寄りばかりです。それも後期高齢者が目立ちます。休耕田も増える一方です。少なくともこうした土地に未来の輝きは見あたりません。

 そういった深刻な状況のなかで私は、腹の足しにもならない園芸なんぞを楽しんでいます。死ぬのを待つような人生の後半生を忌み嫌って、執筆と作庭にひたすら打ちこんでいるのですが、しかし、これが人間本来の生き方であるとは言い切れない自分をも併せて感じています。

 もちろん、時代を比較したところで何も始まらないことは承知しています。

 要するに、今の自分が今の時代を精いっぱい生きるほかないのです。

 歳月は確実に流れています。時代もまた然りです。

 それが証拠に、私も妻もそれなりに老いました。でも、タイハクオウムのバロン君は命の絶頂期へと向かって突き進んでいます。そんな私たちを取り囲む好みの草や木も、生き死にの摂理に忠実に従っています。

 ともあれ、この世に存する限りは逃げ場を完全に失うことなど絶対にあり得ません。

 月の色に染まった夜が、官能的な痛みを伴う闇が、またしてもひたひたと押し寄せてきて、すべての生き物に寄り添う固有の意味を優しく覆い隠してくれるのです。

「それでいいのでしょう」と蓮華岳が慰めてくれます。

「それがこの世における命の在り方というものでしょう」と蟻が断言しています。