つぶやく管理人(13)新刊『BLACK HIBISCUS』の行方⑥

 今月19日(日)に予約をスタートして4日目を迎えました。スタートしたのはよいものの、果たして予約してくれる人はいるのだろうか、と不安な気持ちでページを公開した結果、現時点で18名の方のご予約をいただいております! ありがとうございます! 心から感謝申し上げます!m(_ _)m

 発刊の決行ラインまで残り12セットです。気を抜かずPRに努めてまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。


 さて今回は、前回予告しましたとおり、製本をお願いする栄久堂さんにて見学させていただいた、最終的な製本作業の模様をレポート致します。

 その前に、栄久堂さんの歴史は古く、ホームページには次のように紹介されています。

〈大正十三年、佐藤栄造と久作という二人の青年は書物を後世に残す為、御皇室で保管されている傷んだ書物を直す事業を始めました。歴史の刻まれた書物を一つ一つ丁寧に手作業で綴じ直し、新たな歴史への架け橋を担っていました。その二人の頭文字を取り、「栄久堂」が誕生しました。〉(栄久堂ホームページ「栄久堂について」より)

 2023年には創業100年を迎えるという社歴に圧倒されると同時に、「傷んだ書物を直す事業」からこつこつと積み上げられた業績は計り知れないものだと思います。今では「実験的製本レポート」として、さまざまな形態の製本を試され、これがすごい。管理人のお気に入りは一見箱なのに開けると本、というものです。実物を拝見させていただき、いつかやってやろうと思っています。

 さてさて、レポートに移ります。お迎えいただいたのは、専務取締役の佐藤丈幸さんと企画業務部の内山さえ子さん。佐藤専務にいただいた名刺の肩書に「製本家」とあるのがかっこいいです。さっそく真面目さと人の良さが目に見て取れる内山さんに工場内をご案内いただきました。

 30年余り出版業界にいて製本所に初めて伺った管理人は、見るものすべてに鼻息を荒くしておりました。刷り上がってきた用紙をものすごい歯を持った断裁機で見事断裁し、折ごとに折機が折りたたみ、その折が1折から順にこれまた機械によって重ねられ、表紙にくるまれて再度断裁されて一冊になり、最後は人の手でくるりくるりと見事な手際で梱包されます。特に感動したのは、用紙を断裁する前の職人さんの作業です。2メートル四方をあるかと思う印刷された用紙は一枚一枚ぴっちりと重ねられており、非常に重いものです。その用紙を20、30枚持ち上げ、波を打つようにぐりんとしならせるのです。すると、見事にそれぞれの用紙の間に空気が入り込むのがわかります。細腕の、そこそこご年配の男性でしたが、その所作と波打つ紙が美しく、しばし見とれてしまいました。

 そんな一連の業務を拝見し、いよいよ『BLACK HIBISCUS』の最終製本を見せていただくことになりました。作業をなさるご担当の方はヴィッキーさんという海外からいらっしゃった方でした! 10年以上の経験を持ち、先に紹介した「実験的製本レポート」の作品もヴィッキーさんの手作りだそうです。すごい!

 とここで、他の業務が入ってしました。すみません。以下次回で詳細をレポートします!

管理人

いぬわし書房

作家・丸山健二が主宰する出版社。丸山健二作品や真文学作品の出版、および丸山健二の活動状況をお知らせします。

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