2024.06.24 06:30「ときには虚勢も必要」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十四) 第三者の目にはどこが面白いのかさっぱりわからない、単調な庭作業に没頭しているときのことでした。 突如として家のなかからドタドタドスンというただならぬ音が聞こえてきたのです。直接見たわけではありませんが、瞬時にしてぴんとくるものがありました。そしてその光景が鮮明に脳裏に浮かびまし...
2024.06.20 01:06「イメージを優先させるな」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十三) 標高があるからといって涼しい夏を満喫できるとは限りません。 観光地として有名な高原であっても、ときとしてそれなりの暑さに閉口させられます。 ましてここは、七百五十メートルという中途半端な高度ですから、太平洋高気圧の張り出し方いかんによっては三十五度を超える高気温に見舞われること...
2024.06.17 01:29「この世にしがみついてみたら」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十二) 言うまでもないことですが、まだ若いタイハクオウムのバロン君や、長年連れ添っている妻のように、庭もまた生き物なのです……このたとえは、ちょっと問題ありですか。 それはともあれ、そうした常識中の常識をついつい忘れてしまい、美術作品の創作と同等の位置付けをした結果、イメージ先行の大失...
2024.06.12 03:31「そこがほんとの居場所なの?」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十一) 四方が田畑のせいで、いつしか自然林の様相を呈した我が庭が野生動物の集いの場や憩いの場と化しています。 といっても当初は昼間の庭の実態しか知りませんでしたから、寄ってくる生き物の数も高が知れていると思っていました。ところが、あれは夕方だったでしょうか、まったくの偶然で、眼前を横切...
2024.06.09 01:19「命の証ってこれのこと?」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十) 春を予感させる日がつづいたかと思うと、いきなり大雪が降って冬へ逆戻りです。 毎年のことですからそれなりの覚悟ができているつもりでも、やはり挫折感を伴った失望感は禁じ得ません。 しかしまあ、積雪がどうであろうと、なんといっても三月には違いないのですから、除雪作業の重苦しさを意識す...
2024.06.02 20:24「生き抜いてみせてやれば」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(二十九) カッコウの鳴き声は、ヒグラシほどではありませんが、胸に沁みる郷愁を伴っています。 久しく忘れていた幼少時代のちょっとした感慨を蘇らせてくれ、思わずしばし聴き入ってしまいます。 妻に訊いてみますと、都会育ちであるにもかかわらず同じ印象を持つとのことでした。かつては東京においてもカ...