2020.10.29 11:09【連載】ときめきの鉱脈〈5〉最終回(西日本新聞2020年10月15日朝刊より転載) 壊滅した街は「太初の混沌」のようでさえあった。2011年6月、作家・丸山健二(76)は東日本大震災の被災地に立った。仙台市の高校に通った縁で駆けつけた先には、想像を絶する光景が広がっていた。 船がビルの屋上に乗り上げ、田園地帯には緑が見当たらない。目の前の現実を記録するのにペン...
2020.10.28 02:30第9回オンラインサロンで取り上げる作品は。 秋も深まって参りました。例年より気温が高く、紅葉の見頃も少し遅れているそうですね。ほぼ東京から出ない管理人は、なかなか秋を感じる機会がなく、秋刀魚で季節を感じていたのですが、今年は高くて食しておりません(泣)。 さて遅くなりましたが、10月31日(土)第9回の〈文学〉オンライン...
2020.10.27 19:08【連載】ときめきの鉱脈〈4〉(西日本新聞2020年10月14日朝刊より転載)「文学は登山のようなもの。ふもとからこつこつ、前人未到の険しい山を目指してほしい。才能の有無は関係ない。さんざん書き続ける、それが才能です」 8月末、長野県内で作家・丸山健二(76)の文学塾が開かれた。「自分が最高と思う最初の一行」を作ることから始め、丸山の添削を受けながら小説を...
2020.10.26 04:01【連載】ときめきの鉱脈〈3〉(西日本新聞2020年10月8日朝刊より転載) 急峻な山々は刻々と表情を変え、雪解け水が河を満たして碧いさざ波を立てる。北アルプスを仰ぐ長野県安曇野。半世紀前に東京の文壇を見きった作家丸山健二(76)は、生まれ育ったこの地に総画の泉を見いだした。麗しい遠景に視野のレンズをぐっと近づけると、苛烈な自然の中で魑魅魍魎がうごめき、...
2020.10.25 03:04【連載】ときめきの鉱脈〈2〉(西日本新聞2020年10月7日朝刊より転載) 作家・丸山健二(76)のデビューは鮮烈だった。倒産寸前の勤務先でふと思い立って書いた初めての小説で、いきなり芥川賞を手にした。1967年当時、史上最年少での受賞だった。 受賞作「夏の流れ」は刑務官と死刑囚の緊迫した日々を、刑務官の平穏な家庭風景と対象的に描く。余計な心理描写がな...
2020.10.24 06:54【連載】ときめきの鉱脈〈1〉(西日本新聞2020年10月6日朝刊より転載) ぎゅっと口を結んだ少年が絶命した弟を背負い、火葬場らしい一点を見つめる写真「焼き場に立つ少年」。被爆後の長崎で米軍従軍カメラマンが撮影し、近年ローマ法王の呼びかけで世界に拡散した。惨禍に耐える子どもの姿は強いメッセージ性を放つが、服装や背景をめぐって撮影地の真偽を問う論議も起こ...
2020.10.16 05:16第8回オンラインサロンで取り上げる作品は。 直前で申し訳ございません! 明日、10月17日(土)13時から開催します「丸山健二の〈文学〉オンラインサロン」で取り上げる作品は、1974年文藝春秋より刊行された『赤い眼』です。 その後、2006年に求龍堂より再構成した新生版が刊行され、サロンにはその求龍堂の担当者をゲストでお...
2020.10.06 03:10【重要なお知らせ】『BLACK HIBISCUS』につきまして② 本日10月6日(火)、「西日本新聞」朝刊にて『BLACK HIBISCUS』のプロジェクトが紹介されました。9月25日の「重要なお知らせ」に記述している〈10月に本プロジェクトが取り上げられ新聞〉とは「西日本新聞」のことです。 従いまして、「西日本新聞」掲載記事にて本プロジェク...